Vol.2 『大事な家族だからこそ、「美味しく」食べてくれる食事を考えたい』(前編)【後編へつづく】
INTERVIEW:ペット食育協会認定上級指導士 安藤 愛さん

大切な愛犬&ファミリーのライフスタイルにプラスとなる「意外と知らなかった!?」な情報をお届けするこのコラム、今回は特別編!ペット食に詳しい有識者にインタビューし、ご自身のご体感やご体験、また愛犬との健やかな食生活についてなどを伺いました。

ペットと飼い主、両方が心地よい食生活を送って欲しい

飼い主にとってかけがえのない家族であるペット。ペットの健康を守るのに大切なのが食事です。その『ペットの食事』について、指導や講座を開催する指導士をされていて、フードコーディネーターでもある安藤愛さんにお話を伺いました。このペット食育協会認定上級指導士を目指したのは、安藤さんご自身の経験がきっかけにもなったそうです。

「指導士の養成講座を受講するには、まず入門講座を受ける必要があるのですが、その講座を受けたきっかけが、愛犬の偏食だったんです。私は、母犬と子供3匹の、全部で4匹のミニチュアダックスフンドを飼っています。ブリーダーさんに来てもらい、自宅で子犬6匹の出産をしました。もともと母犬は、ドッグフードでも何でもより好みせずに食べるのですが、生まれて来た子犬達のうち3匹が全然ドッグフードを食べてくれませんでした。トッピングをし、やっと食べてくれるかどうかという感じ。しかし、もしかしたらどこか別の方のおうちに行くかもしれないという状況だったので、ドッグフードを食べられる子にしておいた方が良いだろうと考えていました。結局、それだけだと1粒も食べてくれなくなり、その3匹ともうちの子にすることにしました。その後も、トッピングをしてドッグフードをあげていたのですが、私の飼い主の思いとして『嫌がるものを食べさせる』ということにちょっと抵抗を感じていました。トッピングは美味しそうに食べてくれるのに、ドッグフードは渋々食べる姿を見て、きちんと手作りご飯を教えてくれるところはないかと探していたところ、ペット食育協会の実施する入門講座を知り受講することにしました。

初めて受けたその日から手作りご飯を作れるようになり、子犬たちも美味しそうに食べてくれるようになりました。そこから、どんどん興味を持ち、入門だけでなく、2級、1級と受けてみることに。そのうちに、自分自身は問題なく食事を作れるようにはなったけれど、世の中には自分で作ることに難しさや抵抗感を感じている人も沢山いる。何か手伝えることはないかと考え、それにはきちんとした知識でしっかりと説明したり、アドバイスをできる立場にならなければと思って上級指導士を目指し、また、これを仕事にすることにしました。」(安藤さん)

獣医でも伝えられない、飼い主にとって日々大切なケアをアドバイス

では、指導士のお仕事は具体的にどういったものなのでしょうか。

【指導士の種類】(3段階)
■准指導士
ペットサロンやペットショップで、1対1で食事についてアドバイスすることができる。教室や講座を持つのは不可。
■指導士
入門講座を開催できる。手作りご飯についての基礎知識を教える。
■上級指導士
入門講座、2級講座の開催が可能。2級では栄養学の基礎知識を教える。

上級指導士である安藤さんは、ペットにとってのNG食材を教える講座も開催できるとのこと。コロナ禍になったこともあり、またご自身が山中湖付近へ移住されたことからも、現在は主にオンライン講座を開催しているそうで、お申し込みがあれば個別にも開催しているとのこと。受講される方は、ペットを飼われている個人の方がほとんどだそうですが、対面での開催時は、お客様にきちんとした情報を提供し接客する上で資格があった方が良いという理由から、サロン、ホテル、ショップなどのペット関連事業に携わる方々も多く受講しに来られていたそう。
また、積極的にペットの食について学びたい獣医師も受講しに来るそうです。確かに、食事は毎日の健康に関わることなので、病院に行った際にはつい獣医師に聞いてしまいそうですよね。

「私が日頃、指導士をやっていて感じることでもあり、どんな指導士になりたいかという点にも繋がる話があります。それは、ペットを飼う上で、口内ケアはとても重要であるということ、そしてそれを伝え続ける指導士になりたいということです。きちんとした食事をとることや、愛犬が喜ぶ美味しい食事を作ること、その食事内容にこだわること自体も大切ですが、私が何よりも絶対にやってくださいと皆様にお伝えしているのは、愛犬の口内ケア(歯磨き)です。手作りのご飯だからではなく、現在ドッグフードを食べているワンちゃんたちの歯の健康も大きな問題の一つとなっています。

毎日のケアは飼い主にしかできないことです。動物病院に行くのは、月に1回など日々のことではありません。そのくらいしかお会いできない獣医さんに、愛犬の健康管理を全てお任せできませんよね?となると、毎日一緒にいる私たち飼い主がそれをしてあげる他ありません。食事と同時に口内ケアはしっかりやること、それが愛犬の健康を維持する大切なことと思っています」

愛犬にとって大切な「食事」とは

家族であるかわいい愛犬ですが、「ペットの食事」と考えてしまうために、何を与えればいいのかわからない…など悩みを持つ方も多いと思います。

「食べ物を変えることは唯一簡単に飼い主ができることなので、何かあるとつい「食」に注意が行きがちです。しかし、飼い主さんにも色んな方がいます。例えば、ご自分で料理をしない方が愛犬のためだけにするでしょうか?ライフスタイルも様々でしょうし、そういうことを考えると、必ずしも愛犬に手作りご飯をあげることだけが良いとは言い切れないと考えています。忙しい方や、手が空かない時にドッグフードに頼ることは問題ないと思っています。指導士としてだけでなく、私自身が4匹の愛犬と過ごしている中で気づいていったことでもありますが、手作りご飯で、病気になりにくい体や病気になっても治しやすい体づくりを目指すことは飼い主にもできることだと思います。そういった点は、手作りごはんの利点だと思っていますが、講座では無理せずドッグフードは使いたい時は使って欲しいと伝えています。実は、私自身が一番大切にしているのは、その食事で愛犬が喜んでいるかどうかということです。なので手作りご飯を喜べば作ってあげたらいいと思いますし、ドッグフードでも毎回美味しそうに完食していて健康なのであれば、それをあげ続けてもいいと思っています。

また、アドバイスしていることの一つに『水分を充分にとる』ということがあります。手作りごはんのメリットの一つは、手軽に水分が取れるということです。ドッグフードに関しては製造方法にもよりますが、水分は10%程度に抑えているものがほとんどだと思います。その点、手作りごはんの場合、食材をそのまま使う時点で、野菜であれば80~90%、お肉でも60~70%ほどの水分が含まれているので、その料理を食べるだけで充分に水分を摂取することができます。もちろん、ドッグフードを食べさせている場合は、必ず水分も摂らせるようにして欲しいと伝えています。現在、脱水症状を起こしやすくなっている犬も多くいると聞いています。水だけを飲んでくれないという子には、フードに水やスープをかけてあげると良いですね。

あとは、受講されている方のお話でも多いのが、環境の変化や病気をきっかけにドッグフードを食べてくれなくなったという相談です。『今まで食べていたものをなぜ食べなくなったんだろう』という不安や『病気だから食べてくれないと困る…』という焦りなどが先行し心配してしまうのですが、人間と同じように犬にも個体差があります。犬種や飼い主さんとの生活などに違いがあれば、当然好みも変わってきます。美味しい不味いなどの感覚も、人間のように犬にもあるものです。ですので、そういう時に気にして欲しいのは『うちの子は何が食べたいのか、食べられるのか』ということなんです。ドッグフードを食べないなら手作りにしてみる、くらいの気持ちでいかがでしょうか。どちらにせよ、食べない場合は、食べてくれるものを作ったり探したりする、という気持ちをまず持っていただけたらと思います。飼い主が心配性だと、基本的に犬は飼い主に従順な生き物なので、ワンちゃんもどこかどんよりしたり、ネガティブになったりするものです。「食べさせなきゃ」と思うのではなく、「食べたくないものは無理に食べなくても大丈夫だよ」と考えてみてください。飼い主さんが気持ちの持ち方を変えると、明るくなったり散歩好きになったりするワンちゃんもいるんですよ。

人間と同じように、精神的な部分を見逃さないようにして欲しいなと思っています。人間も犬も、持っている臓器は一緒で、働きも同じです。人間でも同じ食材が人によって、合う合わないがあったりしますよね?だから食事に関しても、犬も人と同じように考えて欲しいと思います。そして、私たち人間が疲れたり、面倒くさい時に食事は簡単なもので済ますことがあるように、愛犬にも飼い主が無理せず、食べてくれるものを手軽に与える日があっても良いと思っています。私自身、食事は楽しい方がいい!と思いますし、家族である犬も同じだと思います。」(安藤さん)

 

【後編へつづく】

 

安藤 愛(あんどう あい)
・ペット食育協会認定上級指導士
・飼い主さんとわんちゃんのためのブランド「Seaside Rose」(https://seasiderose.jp)オーナー
・フードコーディネーター

 

東京生まれ、東京育ち。
家族全員でご飯を食べる家庭で育ち、料理上手な母の影響で小さい頃から料理、お菓子作り、パン作りが大好きに。大学卒業後、広告代理店で外資系企業や海外クライアント、海外での制作作業を担当する営業職に約20年間従事。会社員生活と並行し週末はフードコーディネータースクールに通い卒業。平日は朝から夜中まで働き、飲みに行く不摂生・不健康を極めた生活を送り常に体調が悪い毎日だったものの、愛犬ローズとの生活を重視した結果、人間ドックの結果Aが並ぶように。ローズが出産し、現在ローズ+ローズの子供たち(リーフ、ピノ、ブラン)4頭と暮らす。ローズ一家のために、東京から鎌倉に移住、その後さらに山中湖に移住し、ローズ一家中心の生活を送っている。日々、講座開催をしながら、飼い主と愛犬が幸せになるためのブランド「Seaside Rose」(https://seasiderose.jp)で、質の高い食材を使った犬の手作りごはん、ペット用口内ケア商品などをネット販売中。

著書『おひとりさまとローズ一家』(主婦の友社)
ブログ『obabaのブログ』https://aiando.com

インスタグラム
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